SFとファンタジーの垣根

 SFとファンタジーの違いってなんでしょう。
 基本的には、どちらも「今ではない時代、ここではない場所」の話なのですが、我々の住む世界との違いを、SFは「科学的」なもので説明し、ファンタジーは「非科学的なもの」で説明する……その程度の違いであって、根っこはあまり変わらないのではないかと思います。

 音楽などでは分かりませんが、小説や漫画、映画などでは「ジャンル」というものを重要視しすぎるのは良くないのではないかと思っています。
 もちろん販売する場合には分類しなければ棚に並べにくいですし、雑誌やレーベルとして統一感をもたせる場合には「ジャンル」の考え方は必要なのですが、それでも肝心なのは個々の作品なので、ジャンル単位で作品を語ろうとしても、ちょっと細かく見れば逆に「分類」ができなくなってしまうように思っています。
 ジャンル分けは、作品群をなんとなく理解するためには良い方法ではあるとはいえ、しかしそもそも「ジャンル」とは個々の作品の集合でしか無く、「ジャンル」というものに過剰なこだわりを持つべきではないのではないかと。
 それはともかく。
 SFとファンタジーは「ジャンル」としては別物として扱われます。しかし自分は、この二つの「ジャンル」は表面上が違うだけで根は全く同じ「ジャンル」なのではないかと思っています。
 上でも書きましたが、「今ではない時代、ここではない場所」を演出するための手法が「科学的」か「非科学的」かの差でしか無いのではないかと。
 個人的にそれを最も強く感じさせるのは「スターウォーズ」だったりします。
 SF映画の金字塔であるスターウォーズ。
 ゆえに使われている設定やアイテムは基本的に「科学的」なテイストで演出されていますが、しかしフォースにしてもライトセーバーにしても「魔法」という設定に、様々な惑星は異世界の国々という演出で想像すると、さほど不自然にならずに「ファンタジー」に置き換えられるのではないかと思っています。
 SFが最も力を持っていたのは、まだ「科学」が現在に比べれば未発達で、しかしこれから大きく向上していく予感があった時代なのではないかと思います。だからこそ「今ではない時代、ここではない場所」の演出に「科学」取り入れられ、受け入れられた。
 ファンタジーは昔からありますが、これはいつの時代でも「魔法」や「異世界」、「妖精」や「妖怪」などが、それこそ古代から人間の想像力をかきたてから。不思議な出来事を「説明」するのに使われることが多かったからでしょう。
 しかし、2000年代以降のファンタジーの一部、例えば「ハリー・ポッター」などは、「科学」発展に停滞感が出てきたからこそ、逆説的に「魔法」による演出がなされ、多くの読者に受け入れられたのではないか。
 もしも科学神話全盛期にハリー・ポッターが作られていれば、SF的な選出がなされ、逆に科学の発展に停滞が感じられる時期にスターウォーズが作られていたらファンタジーの名作になっていたのではないか。
 なんとなく、そう感じています。
 かの伝説的SF作家であるアーサー・C・クラークは「発達した科学は魔法と見分けがつかない」と言いましたが。それはSFとファンタジーのジャンル分けにも繋がる考え方なのではないかと思います。

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