小説『キキさんのアルバイト』第二話 第四章 聖務

 文章は5000字前後にまとめようと思っているのですが、今回は7000文字。急遽「エンディング」という項目を作ってごまかす……。前半のエンドだから!
 スヴェっさんは国教会の「主教」。宗教用語は、基本ロシア正教っぽい単語で行きます。
 この話。作中人物は基本的には人間ではありませんが、彼のみ例外。ちゃんと年に一つで歳をとります。
 その役目は、魔王の娘が祟をなさないように奉ること。
 ちなみに砦跡の食料などは、神饌としてスヴェシの主教区から提供されていたりします。ロシア正教っぽくと言いつつ、やっていることは割と和風です。




◇ キキさんのアルバイト 第二話 ◇
 第四章:聖務


01.
 晩餐の場で、ハクはホストの、スヴェシはゲストの席に座り、キキさんは給仕として控えた。
 スヴェシは四〇そこそこの人間の男性で、地域における宗教的トップである「主教」と呼ばれる地位にある。この若さでその座にあるのはかなり異例だ。それだけでスヴェシの優秀さは推し量られる。
 スヴェシの担当する主教区は、ちょうどこの砦跡がある「迷いの森」を包括しており、そこの主教は代々「魔王の娘」ハクを祀り鎮めることを任の一つとしてきた。
 ハクと向い合って座るスヴェシを、キキさんは見るともなしに観察している。
 やや浅黒い肌で、精悍で険しい顔つきをしており、髪は丁寧に撫で付けられて一点の隙もない。黒くゆったりとした僧服は飾り気が無く質素。しかしよく手入れがされていて清潔感がある。部屋に入った時にキキさんが預かった修道帽も、素朴だが年季の入ったものだった。
 テーブルマナーも完璧で、ただ左手がやや不自由なのか、しばしばフォークを握り損なうことがあった。
 静かな食事だった。
 スヴェシは無駄なことはあまりしゃべらなかったし、ハクはハクで緊張のため話すどころではない。キキさんも口をきく立場にない。
 そんな空気の中で、スヴェシは自分の予定を話した。
 砦跡に一泊した後、まずは「一の聖務」である「砦改め」をし、昼食の後に「ニの聖務」である「奉神礼と説教」を行う。その後、晩餐をしてから「氷結晶拝領」を受け、その夜のうちに帰途につく。
「奉神礼と説教」と聞いた時、ハクが見ていてわかるほどに気落ちした表情を見せた。
 晩餐を終え、キキさんはスヴェシを客間へと案内することになった。
 訪問が突然だったため、特別に用意をしていたわけではないが、しかしキキさんの管理に手抜かりはない。国教会の主教を泊めるにも十分な迎賓の準備は常にできている。
 キキさんが部屋へと導き、脱いだ僧服などを受け取るときに、スヴェシが話しかけてきた。
「見事なものです。貴女の仕事なのでしょうが、今までこれほど完全な晩餐を受けたことはなかった。この時期には本来使わないはずのこの部屋の支度も。ハクに出来ることではない」
「恐れいります」
「私が、常よりも大分早く訪問した意図はわかりますか?」
 言われて、やっと気づいた。
「……わたくしの仕事を検分するため」
「私が見たところ、合格です。それも、想像を遥かに超えた水準で。神品(聖職者)として、見習うべきとすら感じています」
「……」
「ハクは、私を含め敵の多い身の上です。貴女には、彼女の数少ない味方として、これからも支えていってあげてほしい。それこそが、ハクの命を取らなかった勇者様の優しさに通じる道なのではないかと考えます」
「……かしこまりました……一つお聞きしてもよろしいですか?」
「私に分かることであれば」
「ハク様を活かした勇者……様とは、どのような存在だったのでしょう?」
「私が生まれる前に、既に姿をお隠しになった人物です。書物を通してしか、私にも分かりません。しかし……」
「……」
「俗説ですが、勇者様はお酒が好きで、様々な産地の酒を舌に乗せるだけで利き分けたとも言い伝えられています。国教会で祀り上げられている姿よりもずっと人間的な所があったようです」
 会話はそれで終わり、キキさんは部屋を退出した。
 クークラは嫌っていたが、一廉の人物ではあるようだ。だが、ハクを幽閉することを聖務として行う立場の人間である。
 なかなかに厄介なものだ、と、キキさんは思った。


02.
 一の聖務「砦改め」とは、何の事はない砦跡の点検である。砦跡の管理をハクがきちんとしているかどうかを確かめるためのものらしい。
 以前は数日をかけて徹底的に行われていたそうだが、二世代前の主教が簡略化してしまい、それがそのままの形で続いていると言う。今では、半日で砦跡を見て回るだけになっている。
 ハクの先導のもと、スヴェシが砦跡の全部屋を検分し、部屋ごとに許可不許可を判断する。不許可があった場合ハクにはペナルティが課され、次の訪問まで何がしかの責務をこなさなければならなくなる。責務の内容は、その年によって違ったと、キキさんはハクから聞いている。
 スヴェシの目は鋭く、どんな小さな点も見逃さないよう監視していたが、不許可を言い渡される部屋はついに一つもなかった。従者として付いていたキキさんも、終わった時にはさすがに胸をなでおろした。
「不許可が一つもなかったのは、記録上初めてのことでしょうね」
 スヴェシは、点検が終わった後、ハクにむかって言った。
「自分の力でそう出来るよう、精進しなさい」
「……はい」
「では昼食の後、ニの聖務、奉神礼と説教を行います」
 その言葉を聞き、ハクは少し首をすくめた。その表情には怯えの色が濃い。

 昼食を終えて、ハクとスヴェシは会議室へと入った。他の誰も入ってはならぬと厳命されたので、キキさんは夕食の準備を終えると、私室としてあてがわれている二階の一室に入り、待つことにした。
 ハクの表情は気になったが、まさか殺されるわけでもあるまい。これが終わればスヴェシも帰るのだから、精神的なフォローはその後に膳立するしか無い。
 そんな事を考えていると、部屋のドアがノックされた。
 クークラだろう、と、キキさんは思った。スヴェシと顔を合わせないよう、砦改めの時には外に出していたのだ。
「どうぞ」
「……失礼します」
 ドアを開け、沈んだ表情のクークラが入ってきた。
「クークラさん……ハク様が心配ですか?」
「うん……ねえキキさん、ちょっと付いて来てもらっていい?」
「なんでしょう?」
「来てもらえれば分かる……分かります」
 クークラについて、キキさんは砦跡二階の一番奥の部屋へと入った。ここも普段は使われておらず、ヒカリムシの灯台も灯していない。今はクークラが持っているランタンが唯一の光源である。
 部屋に入る前にクークラに、中では絶対に物音をたてず、喋らないよう誓って欲しいと言われた。
 頷くと、何故なのか聞く前にクークラがドアを開けた。


03.
 クークラはランタンをかざして部屋の奥へと進んだ。
 キキさんが付いて行くと、クークラは壁に取り付けられていた小さな金属製の蓋を開けて、耳を寄せた。ゼスチャーで、キキさんにも同じようにすることを促す。
 それは伝声管だった。
 砦跡内部に、会議室を中心に伝声管が張り巡らされているのはキキさんも知っていた。しかし、全ては戦後に埋められてしまい、使えなくなっていたはずだ。
 クークラがヘビかなにかに取り憑き、その体で秘密裏に使えるよう整備したのか。勝手に憑依体を換えることは、危険も伴うためハクに禁じられているはずだが、クークラならばその程度のことはやりそうだ。
 キキさんはクークラに近づき、一つの伝声管に二人で耳を当てる。
 聞こえてくるのは、スヴェシの説教と、それを復唱するハクの声。
 国教会の教義教説と、その意味の解説を交互に行い、復唱と同意をハクに求める、そんな形式で行われている説教だった。
 音を立ててはこちらの気配が伝わってしまう。キキさんとクークラは、しばし黙って聞き入った。
 スヴェシの声は、まずハクの母ミティシェーリの「悪行」を述べ立てていた。
 下の大地において死と破壊の風雪を立たせたミティシェーリはまさに悪の権化であり、神はその存在を許さず、勇者を降し給うた。
 ハクに、母は邪悪であると声に出して確認させて、説教は続く。
 邪悪の娘もまた悪であり、しかし何の能力も持たない、無能にして無為なる存在であった。邪悪なれども無為であるが故に、勇者は慈悲を賜い、命を助けた。
 勇者を崇めよ。勇者を崇めよ。
 ハクの勇者を称える声が、聖歌を歌い上げるにも似たスヴェシの説教に続く。
 その後も延々と、ミティシェーリの邪悪とハクの無為を言い立て、国教会の聖書でもある「戦史書」において史実とされる事柄を交え、あるいはハクが砦跡に幽閉されてからの行為行動を挙げて、神の御使である勇者を称え従うべしと、微に入り細を穿ち、スヴェシは謳いあげた。
 ハクは挙げられる全ての事を、復唱し、了解し、それによって自分の邪悪さと無為無能である事を心に刻み込んでいくかのようだった。
「奉神礼と説教」を聞きながら、キキさんは冷静に考えた。
 ハクは魔王ミティシェーリの娘である。
 普段のハクの姿を見ているとつい忘れそうになるが、その存在は下の大地の人間たちにとって、確かに大きな悪である。
 氷の種族たちが残した傷跡は、それほどに大きい。
 人間たちも、魔王や勇者に関する事柄を一手に管理する国教会も。
 ハクに鬼胎を抱き、今なお畏れているのだ。
 ではどうするのか。
 殺滅は許されない。それを勇者が禁じた事は、戦史書にも記載されている。国教会において勇者の行いは絶対的に肯定しなければならない。
 結果として。
 まず国教会は、ハクを砦跡へと幽閉し、生き残った氷の種族たちから隔絶した。
 ……それ自体は失敗しているようだが……。
 それでも、ハクを新しい旗頭として立たせない事には成功した。
 だが、それだけではまだ不安を拭い去るには足りない。
 ハクが、絶対に、心の底から国教会に従い、逆らわないようにしなければならなかった。
 その方法として選ばれたのが、この「奉神礼と説教」なのだろう。もともと気の強いタイプではなかったハクが、長じて更に自信を失い、文字通りの無為な存在となるように。
 時の最果てに至るまで、ただ無力な存在として在り続けるために。
 国教会は現在も「宗教的努力」を続けているのだ。
 ハクの心を、折り続けているのだ。
 その意義はわからないではない、と、キキさんは思った。
 だが。
「……気に入らないな……」
 思わず、呟いた。
 一瞬、向こうに声が漏れたかと思ったが、ちょうどスヴェシの朗々とした説教の最中だったため、気づかれなかったようだ。
 ふと、キキさんはクークラが震えていることに気づいた。
 人形に取り憑いている限り、クークラが涙を流すことはない。
 だが、泣いているのは分かった。
 キキさんは、伝声管の蓋をそっと閉めて、クークラを抱き寄せた。声は出せない、音も立てられない。クークラはキキさんにしがみついて、流れない涙を流していた。
 

04.
 部屋へと送ると、クークラはただ黙ってそこに篭ってしまった。
 スヴェシとハクが聖務を終え、会議室を出た頃には既に夜になっており、重い雰囲気のまま晩餐が行われた。
 その後、ハクは手提げの金属の箱を持って来て、スヴェシの前に置いた。
「氷結晶受領」の儀。
 人間の身体にダメージを与えるほどの冷気を、箱は内部から放出しており、見ていられずにキキさんは断熱効果のあるハンカチで、持ち手をくるもうとした。
 が、それをスヴェシが止めた。
「氷結晶受領」は国教会にとっても自分に取っても大切な聖務であり、これは直接手で持つのが宗教的な義務である、と、言ってハンカチをキキさんに返した。
 スヴェシは、氷結晶の収められた箱を左手に持ち、砦を後にした。キキさんはそれを見て、スヴェシの左手がやや不自由だった理由を知った。毎回、凍傷になりかけているのだろう。
 それでも氷結晶を手放さない意志力に、キキさんは素直に感心した。

 スヴェシが帰った後、ハクのテンションはいつになく高かった。
 一仕事終えた! と、ハクは言った。
 それが強がりであることは、盗み聞きをしていたキキさんとクークラにはよく分かった。おそらくは、周りに心配させまいとする気遣いと、放っておけばどん底に落ちていくであろう精神との兼ね合いを取っているのだ。
 この時のハクはクークラに対して、いかにも保護者じみた態度を取った。クークラもそれによく従い、ハクを立てていた。
「クークラ。考えていたのだけど、あなたキキさんの仕事を手伝いなさい」
 スヴェシが帰った後の団欒の最中、ハクはそう話題を振った。
「そして、キキさんの仕事を減らして、浮いた時間で術を学びなさい」
 いささか唐突ではあったが、キキさんはなるほどと思った。術を学べるとあって、クークラの目も輝いている。
 以前「考えていることがある」と言っていたが、これか。
「事後承諾的になってしまいますが、それで良いでしょうか、キキさん?」
「わたくしに言うことはありません。良い考えだと思います……いや、しかし」
「しかし?」
「本来、募集要項になかった仕事ではございます。お引き受けする代わりに、一つだけ、わがままを聞いていただければと思います」
「え? ……それはどんな……」
「ハク様のお創りになる氷結晶を見せていただきたく存じます」
「それは……」
 氷結晶の創造は、例え誰であっても見せることは禁じられているのです、と、ハクは申し訳無さそうに答えた。
 それを予測していたキキさんは、ちらりとクークラを見る。
 クークラもその意味をすばやく感じ取り、ウルウルした視線をハクに送った。無言のうちに、術を学びたい、だから見せてあげてほしい、という意味を込めている。
 ハクは、一歩後ずさった。
「先にご訪問下さったゲーエルー氏も、ハク様が創った氷結晶をご覧になられたと」
「あ……あれはあのオジさんが強引に……!」
「ハク様」
「は……はい」
「ハク様は従順でいらっしゃいます。それはハク様の良い点でもありますが、しかし相手は御自身を幽閉している、いわば敵対者でもあります。どうでしょう。多少は逆らってみるのも、悪いことではないと思いますよ」
 キキさんの言葉に、ハクは表情を変えた。
 ずっと、ずっと。ハクに刷り込まれていた国教会に従わなければいけないという感情に、わずかだが亀裂が入った。
「……そうですね」
 ハクは、珍しくいたずらっぽい笑みを浮かべる。
「別にバレる訳でもないし。……せっかくだから……私の仕事、むしろ、見てもらいます」


第二話
エンディング

 氷結晶を創る作業場は、居住している参謀本部の外にある。広い意味では砦跡の敷地内だが、作業場が作られたのは戦後であり、その三角屋根の木造建築自体は比較的新しい。
 中に入ると、外からは全く想像できない空間になっていた。
 部屋中の壁、床、天井が全て溶ける気配のない氷に覆われており、室温は限りなく低い。
「冷たくないですか?」
 というハクの質問に対し、キキさんは羽織ったコートを掻き合わせ、
「ちょっと寒いですね」
 と答えた。クークラは、人形の身体である以上は寒さを感じないらしいのだが、いつのまにか関節が凍ってしまうらしく、じっとしていると動けなくなるかも、と言って、常に足踏みをしていた。
 氷結晶を見せることをあれだけ渋っていたハクだったが、腹をくくった後はむしろ積極的にキキさんとクークラを作業場へと案内した。
 そのハクが、中央にある氷の作業台を指差す。
 そこには、おそらく創りかけなのだろう、半分は氷の塊のような、もう半分が幾何学的な形に細かく透かし彫りにされた氷結晶が置いてあった。
 近づいて。
 それを見て。
 キキさんは思わず心を奪われた。
 美しい。
「あ……触らないでくださいね。さすがにキキさんでも、ただでは済まない冷気をはらんでいますから」
 注意されて初めて、手を伸ばしかけていたことに気づく。
 心のなかで気を取り直し、改めて氷結晶を見つめた。
 さすがにもう魅了されることは無かったが、氷結晶の美しさに違いはなかった。
「凄い……ですね……」
「母が創っていたものとは大分違いますけど……」
 ハクは言いながら、自分の首から下がっている氷結晶を指でなでた。
 それはハクが創りかけた氷結晶に比べると随分と素朴な創りだ。ゲーエルーは言っていた。美術的な仕上げでは、姉御のミティシェーリでは逆立ちしても嬢ちゃんには敵わない、と。
「これ、母が最初の頃に創った氷結晶なんです。貰ってからもう随分たつのに、効力はまったく衰えません。見た目は素朴ですけど」
 ハクは胸元を飾る氷結晶を見ながら、母を懐かしむように言った。
「母も、本当はもっと細工にこだわった氷結晶を創りたいと言っていました。戦争が終わって、またゆっくり出来るようになったら、一緒に作ろうって……」
 語尾が、わずかに揺らいだ。見ると、ハクの眼には涙が溜まっていた。
 キキさんはハクの手を取った。
「素晴らしいですわ。ハク様は、正しくお母様の遺志をついでいらっしゃいます」
 言葉に真意を込めて、キキさんはハクを賞賛した。
 ハクは目をこすり、涙を隠しながら笑った。
「ありがとうございます」
 本当に嬉しそうに、ハクは礼を言った。

 外に出ると、まだ冬が終わりきっていない季節だというのに、随分と暖かく感じた。
 これが氷の種族の故郷である北の地と、下の大地の気候の差なのだろう。
 ふと、視線を感じた。
 スヴェシがきた時に感じたのとは真逆の意志が、ハクを取り巻いているようだ。
 大気に満ちる魂を感じ取る能力は、ハクにはない。
 教えてあげようか、と、キキさんが思った時、クークラが言った。
「なんか、嬉しそうな気配があるよ……なんとなく感じるんだ」
 ハクは、気のせいじゃないの? と、笑った。
 その笑顔を見て、春を呼ぶ雪割草のようだとキキさんは思った。

この記事へのコメント

  • yuki

    第二話第四章UPお疲れ様です。
    岩砦に訪れた司教・・・あれ、主教になってる、と思いつつ。教派による呼び名の違いだからいいのかな?

    さて、遂に登場した司教スヴェシですが。
    思っていたのと違う。
    クークラや砦を取り巻く魂達、ハクの反応から、もっと嫌な奴かと思っていたら。
    実際は中々の人格者。う~む、さん付けしても良いかなと思いました。

    ハクを気遣う言葉を述べたり、勇者の実像が史実と違う事を容認する一方で、容赦無くハクの心を折るスヴェシ。
    凍傷になるのも辞さず、「氷結晶受領」を遂行する様からは。
    ハクの事を一人の人格として認める一方で、自身の職務の意味を理解し執行する、優秀且つ使命感の強い方かと。

    ところがどっこい、あんな裏設定があるとは。
    次コメに続きます。
    2016年03月25日 19:25
  • ロキ

    >>yukiさん

    いつも書評を頂きありがとうございます。
    本当に励みになります。

    スヴェシは裏面、表面の合わせ技で自分でも結構よく書けているんじゃないかと、ちょっと思っています。

    彼は、少なくとも表面上は若くして主教に登った人格者で、それも演じていると言うよりも、自分の一面として定着させています。

    だからこそ、キキさんですら、彼を心から厄介だと評価し、氷結晶を持ち帰る姿に素直に感心しています。

    クークラはそこまで複雑にスヴェシの事を考えているわけではなく、単純に親代わりのハクの敵対者として認識。その分、彼に対する嫌悪と憎悪は深く、また純粋です。

    砦の周りの異質な魂も……いや、ここにはまだ言及できない。

    ともかく表人格スヴェシ面は、内なるスヴェっさん面を、キキさんにも感じ取らせないほど完璧に隠せている訳です。
    それは「ハクの事を一人の人格として認める一方で、自身の職務の意味を理解し執行する、優秀且つ使命感の強い」スヴェシもまた彼の一面であるからです。

    まぁさすがのキキさんも、ハンカチを突き返された理由が、まさかスヴェっさん面での法悦のためとは思わなかった……。
    2016年03月25日 22:31