小説『キキさんのアルバイト』第四話第一章:愛情に包まれて

 キキさんのアルバイト。
 ついに終わりが見えてきました。ストーリーの最終コーナー。第四話の始まりです。
 ハクのイメージが、最初に比べてかなり変わってきました。
 彼女の自立が、この話のキモの一つであると思っています。
 今回は、かなり余裕を持って進められる日程で予定を立てていたにも関わらず、作成が締め切りギリギリになってしまいました。
 本当はキキさんのアルバイトを書こうと持っていた余暇に、ぜんぜん別の、モンハン小説を書いてしまっていました。
 それでもなんとか、締め切りの火曜日に投稿できました。
 もうしばらく、キキさんのアルバイトにお付き合いください。



◇ キキさんのアルバイト 第四話 ◇
第一章:愛情に包まれて

 あの日以来。

 キキさんは、たまにお酒を持ってハクの部屋を訪れるようになった。
 別に、特別な日に来るとかそういうことではなく、ただキキさんが館で一人過ごすのが何となく寂しい日とか、あるいはハクに元気が無い時とか。
 そんな夜に、キキさんは来る。
 それも当たり前になってきた。
 
 今夜も、キキさんがプライベートで訪ねてきていた。
 
 晩春。
 スヴェシの査察があってまだ間もない。
 二人は、ハクお気に入りの強いライ麦の蒸留酒が入ったグラスをうちあわせた。
「乾杯」「かんぱーい」
 ロックで一口飲んでから、キキさんは今年のスヴェシはどんな感じだったのか、とハクに聞いた。
 キキさんも顔をあわせてはいるが、ハクほど長い時間をスヴェシと過ごすことはない。
「毎年、あまり変わりません。もう、何年前でしたっけ。スヴェシさんが左手を凍傷で失ったのって……。あの年はさすがに元気がない感じだったんですけど」
「あのおじさんも、いい根性してるわよね」
 キキさんはスヴェシをオジサン呼ばわりしているが、実際に生きた年月はスヴェシの方がはるかに短い。
 ただ、だいたい全ての生き物は、見た目と精神年齢が一致する。
 その意味で、キキさんにとってもやはりスヴェシはオジサンなのであった。
 
 ハクは以前に比べ、スヴェシの来る季節になってもあまり不安がらなくなった。
 奉神礼でのハクやミティシェーリへの悪口雑言も、聞き流せている。

 ハクは、国教会の精神的な戒めから、着実に抜け出しつつあった。

 国教会が禁じている飲酒を、なんのためらいもなくしているのも、その証拠だろう。
 いや、ただの酒好きなのかもしれないが。

 自信が付いたのだ、と、キキさんは思っている。

 創りだす氷結晶は、国教会からも求められるレベルに達した。
 一人前以上の仕事をしているという実感。
 クークラという子供を持ち、それに対する責任感を自覚したこともまた、彼女を強くしたのだろう。
 
 そして。
 こうして、友人と一緒に飲み交わす時間があるということ。
 それも少なからぬ影響を持っている。
 キキさんは決してそれを計算しているわけではない。
 しかし。
 自分は一人ではない。味方が……それも心強い味方がいるという事は、ハクの精神によい働きかけをしたのである。

「スヴェシって、もう幾つくらいになったのかしら?」
「五十代も半ばを過ぎてますね。その……人間の年齢ってあまり実感がわかないんですけど」
「そうね。でももう引退とか、あるいはもっと偉くなって、国教会でも別の職についていてもおかしくないような気がするんだけど……。主教って、べつに終身制じゃないと思うし」
「前の担当主教の方たちは、だいたい次の世代の人に譲って辞められていましたね。世襲でもなく、その都度、手続きを踏んで選定されるんだそうです。でももっとお年を召した方も居られましたよ。逆に、スヴェシさんより若い主教として来られた方は居ませんでした」
 キキさんは、初めてスヴェシを見た時のことを思い出す。
 彼は、自分を査定するために、あえて予定を早めて訪問してきた。
 あれ以来、もう二十回近く顔をあわせている。
 キキさんは別にスヴェシのことが嫌いではない。むしろ、その職務への忠実さや、左腕を失ってなお氷結晶を手で持ち帰る精神力を高く評価している。

 ただ、ハクにとって敵の立場の人間である。

 出会い方が違えば、もしかしたらお互いに尊敬することのできる関係を築けたかもしれなかったが。
 そうはならなかった。それは少し残念かもしれない。

「優秀そうだし、若かったんだから、もっと上の地位に付いてさっさと居なくなるかと思っていたんだけど」
「……スヴェシさんは、その……」
「……? 何?」
「氷結晶が、好きなんじゃないかな? と、思うんですけど……」
「……」
「……ね?」
「……いや、それはないでしょ。確かに貴女の作る氷結晶は美しいわ。だけど、そのために、わざわざ出世の道を捨てて現職に留まるなんて……それも、あのスヴェシが」
「……ないですかね?」
 ハクはそれ以上は言わなかった。
 この実感は、多分、自分でなければ持てないだろうと思ったからだ。
 年に一回会うだけとはいえ、付き合いは長く、深い。
 鉄のような精神力に隠されたスヴェシの表情も、それなりに読めるようになってきた。
 氷結晶を受領する時。
 感情を制御できず、どうしても溢れさせてこぼしてしまうかのような、かならず垣間見せる表情がある。
 あれは。

 喜び……いや、悦楽と言っていいものにしか見えないのだ。

「キキさん、最近、お酒をあんまり飲まなくなりましたよね」
 ハクは話を変えた。
「……貴女に合わせるのをやめただけよ。わたしはね、これくらいのペースが丁度いいの」
 キキさんは、最初の一杯だけをロックで飲み、あとはグラスの縁に塩を付け、グレープフルーツジュースで割って飲むようになっていた。


02.
「キキさん……応接室の掃除……終わりました……」
 中央会議室の整理をしていたキキさんのもとに、クークラが割り当てられていた仕事を終えたと報告に来た。
 今日に限って肩に小さな人形を乗せており、言葉に抑揚がなく、テンションが低い。
「お疲れ様です。今日はもう上がってもいいですよ。……本当に終わったのであれば」
「はい……お疲れ様です……」
「ところでクークラさん、その肩の人形は? 動いているようですが」
「……術の……。練習です……」
「なるほど。……少しお聞きしますが……そうですね、ハク様はいまどこに居られます?」
「……ハ……ピ……d……」
 キキさんは目を細めて、しかし少し呆れたように肩をすくめた。
「本当に腕をお上げになられましたね」

 キキさんの目線は、少女人形の肩に乗った小さな人形に向けられていた。

 次の瞬間、少女人形が力を失い、その場にへたり込む。しかし膝をつく直前に眼に輝きが生まれ、体勢を持ち直した。

 その肩から、座っていた小さな人形が落ちた。それも地面にぶつかる前に手で受け止め、それまでカタコトで喋っていた少女人形に宿り直したクークラが言った。
「やっぱりバレたか……。どの時点で気づいたの……気付きました?」
「最初から。喋り方が不自然すぎます」
「ハクの場所を聞いたのは……」
「命令されたこと以外の行動や受け答えが出来るのかどうか、試しただけです」
「喋り方は気になってたんだけど……やっぱりそこらあたりかぁ」
 キキさんは内心で、私はアニメートを施した物品を喋らせることなんて出来ませんけどね……と、呟いた。
「クークラさん。イタズラもよろしいですが、掃除は本当に終わったのですか?」
「あ、はい。それは本当に。この……」
 言って、クークラは自分が宿っている人形の身体を見た。
「この身体にアニメートをかけてやってみました。眼があるから、円形モップと違って拭き残しなく出来るので、思ったより早く終わったんです」
 こうして考えると、生き物の身体ってよくできてますよね、とクークラは言う。
 何かに特化しているわけではないけど、眼と手と脚と耳と。他の感覚器官も含めて。組み合わせれば本当に何でもできる。

 そんな汎用性の高い運用なんて、わたくしには出来ませんわ。キキさんは心のなかで舌を巻く。

 それがアニメートの術を施しやすい死体だったならばともかく、こんな複雑で繊細な構造の人形でやるのは、とても無理だ。
 いつか、クークラに「免許皆伝です」と言ってあげたいと思っていたのだが、その機会を見極める前に、いつの間にかクークラはずっと先を行ってしまっていた。
 そのくせ、まだキキさんの方が優れた術者だと思っているフシがあるから、余計に言い出せなくなっている。

「あ、そうだ。今日も夜、ちょっといいですか?」
「なんでしょう。ここの掃除もほぼ終わりましたので、難しいことでなければ今でも大丈夫ですが」
「実はその……最近、アニメートの憑依体と、自分の意識が重なる時があるんです。ええと、例えば今だったら、自分がこの小さな人形に居て、大気に満ちる魂で動かしている大きい人形の近くに居たりすると……」
「……大きい人形にも、自分が乗り移っているように感じる……と?」
「はい。アニメートで動いているはずの大きい人形が見ているものが分かる時があったり、あるいはアニメートの憑依体の動きを少しくらいなら操れたり。自分と、アニメートで動いているものが繋がっている感じなんです。大気に満ちる魂が操っているはずのものを、さらにその外から自分が操作しているような感じ……です。キキさんはそういうことは?」
 キキさんは静かに首を横に振った。
「それは恐らく、クークラさんの体質とも関連があるのではないかと思います。わたくしはそのような状態になったことはありませんし、書で見たこともない……」
「キキさんでも……わからない?」
「申し訳ありませんが。クークラさん以外には、誰もわからない領域の話かと」
「自分としては便利なのでいいんですけど……」
「そこはご自分の感覚で判断していただくしかありません。ただ、これだけは申し上げます。危険だと思ったら、即座に引き返してほしい。便利であっても、いえ、便利であるがゆえに、いつの間にか戻ることの出来ない危険に嵌り込んでしまっている、という事も、魔術の世界では少なからずございますので」
 クークラは、わかりました、と言った。
 もう少し、自分の制御できる範囲で色々と試してみることにします。
「……あ。あと、あの……」
「?」
「砦跡を取り巻く大気に満ちる魂の中に、異質なのが混じっていますよね」
「ええ。私が初めてここに来た時……思えばそれから、もう随分と経ちましたが、その時から感じております」
「あれって、何だと思います?」
「そう聞かれるということは、クークラさんも何らかの予想をお持ちですね?」
「はい」
「わたくしも、確認はできませんが、だいたいあの方だろうという考えはあります」

 多分あれは……と、二人の言葉が重なる。

「魔王ミティシェーリ」「ハクのお母さん」


03.
「お母さんの……魂?」
「うん! ボクも、キキさんも、多分そうだと思うんだ」

 ……
 …………

 砦跡に残る異質な魂は、おそらくはミティシェーリだろうと言うことで意見が一致すると、クークラはキキさんが驚くほどの熱心さで、それをハクに伝えたがった。

 クークラは、ハクは母親に会いたいはずだと力説した。

 ハクは、ボクと違って親にかまって貰えないまま、死に別れてしまった。
「ボクだって……その、ハクが工房に篭ってしまっているときは、少し寂しい。ハクは、その何倍も寂しかったはずだと思うんだ」
 キキさんは、ハクにそれを伝えることには反対しなかった。
 ただし、ハクは大気に満ちる魂を感じ取る能力がない。
 伝えたとしても、それは無駄になるかもしれない。
「わたくしやクークラさんのように、それを感じ取れるほうが珍しいのです。わたくしも、素質があった上で努力してその感覚を身につけました。本能でそれを感じ取ることが出来ていたクークラさんには理解し難いかもしれませんが……」
「……解らなくはないんです。ハクのお母さんの魂は、ハクが工房から出てくるたびに、ずっと取り巻いていた。でも、ハクはまったく気づかなかったから」
 それでも、その存在が砦跡を……ハクのまわりを取り巻いていると思えば、ハクは喜ぶと思う。
 クークラの意見には、キキさんも同意した。

 ……
 …………

「私が感じ取ることが出来ないだけで、お母さんはずっと私を、見守っていたのかもしれない……と」
「酷な事を言うならば、おそらくそのような明確な意識はないでしょう。ミティシェーリ個人としての自我や記憶が残っているとはとても思えません」
「うん、確かに、もっと単純な、感情とか反応とか、そういうもので動いているようにも見える……」
「しかし、その独自の感情が残っているだけでも凄いことです。相当に精神力の強い女性だったのでしょう」
「キキさんに教えてほしいのですが、母のその状態は、あまり自然なことではないのでしょうか?」
「生きているものから離れた魂のほとんどは、ゆっくりと、しかし順調に大気に満ちる魂に混ざりこんでいきます。混ざり難いのは、普通は何か強烈な恨みのような、強い感情を持ったモノだけ。それは極少数ですから、自然なこととは言えませんね」
「もう一つ……」

 思っていたよりも淡々としているハクを見て、クークラは少し首を傾げた。
 もっと「お母さんの魂が残っているのであればぜひ会いたい」という態度を取るかと思っていたのだ。

「……その魂は、辛くはないのでしょうか?」
「魂が何かを感じているのか、それすら私には分かりません。まして、幸福とか不幸であるとか、そのような高度な感情を持っているのかなどは、なんとも。ただ、混ざらない魂には、負の感情を持って身体を離れたモノが多く含まれていると考えられます。これは、負の感情のほうが、より単純で、その分強いからだと言われています」
「母の魂は違う?」
「スヴェシへは敵意みたいな負の感情を持つけど、ハクの周りにいる時には、むしろ逆の感じになるよ」
 キキさん以上に鋭敏な感受性を持っているクークラが答えた。
「だから、単純に負の感情だけで動いているわけではないのは確か」
「……どちらにせよ、幸福なのか不幸なのかは、肉体を持って生きている身では判断がつきませんね。もしかしたら、多くの魂が、大気に満ちる魂に練りこまれていくことに恐怖しているのかもしれませんし」

「最後に聞かせてください。お母さんがそのような状態になったのは……その、やはり私が心配だったからでしょうか?」
「……その可能性は、少なからずあります。子を思う母が皆、混ざらない魂のような存在になるわけではありませんが、しかしその気持ちは、とても強いものでしょう」
「ハクの周りにやってくるし、関係ないはずがないと、ボクも思う」


04.
「大体のところは理解できました」
 ハクは静かに言った。
「ちょっと意外だったな。ハクは、もっとお母さんに会いたいって、単純にそう考えるかと思っていた」
「そうね。会いたいという気持ちは、もちろんあるけど……」
 ハクは少し考えて言葉を継ぐ。
「そう、もうちょっと前だったら、今みたいに落ち着いて聞くことが出来なかったかもしれない」
「……もう、お母さんに対する想いが薄れちゃった?」
「いいえ。自分でも上手く言えないけど、忘れたわけでも、もちろん嫌いになったわけでもない」
「ハク様は、おそらく精神的にお母様に頼らなくなったのでしょう」
「それって? どういうこと?」
「しっかりとした自信をお持ちになり、心に余裕が出来たのです。言い方を変えれば……」
「うん」
「ハク様は、大人になられたのです」
「大人? ボクからすれば、ハクはずっと大人だけど……」
「それはクークラさんから見ればそうでしょう。なんと言いますか……親という、自分を守ってくれている存在に依存せずとも、一人で立ち、一人で行動できる、そういう大人になられたのです。ハク様は子供の頃、ミティシェーリ様を始めとした大人たちに、頼ることが出来ない状況にありました。だから、氷の種族として身体は成人されても、精神的には守ってくれる親に依存したいという欲求を捨てきれなかったのではないでしょうか」
 ハクは、何やらこそばゆい気分になってきていた。
「そ……それはそうなのかもしれませんが……その……キキさん?」
「そういった精神的な親の庇護から、ハク様は自ら離れられたのでしょう。親元から離れるということは、親を忘れ、嫌いになるということではございません。もちろん、過程においてはその庇護をウザったく思うこともあるのかもしれませんが、人は、そこを離れて初めて一人で生きていく強さと、そして精神の自由を手に入れるもの。ミティシェーリ様の魂も、それを知ったら喜ぶのではないでしょうか。クークラさんの目から見ても、ハク様は変わられたでしょう?」
「どうだろう……わからないけど……でも確かに、前に比べて落ち着いた感じは、するかも」
「あの……キキさん……恥ずかしいんですけど……」
「あら、わたくしは褒めていたつもりなのですが……」
「それはそうなんでしょうが……、それよりも、もう一つ、母の魂のことで教えてもらいたいのですが」
「私に分かることであれば」
「いま、母の魂が喜ぶと言うのを聞いて思ったのですが、感情が残っているということは、それこそ喜ばせることも可能なんでしょうか?」
「おそらくは可能でしょう。ただ、その方法となると……」
「分かりました。今、少し考えたことがあります。申し訳ありませんが、暫くの間、工房に篭もる頻度が高くなるかと思います。仕事の差配など、その分お任せすることが多くなるかもしれません」
「承りました。何をされるおつもりかは分かりませんが、参謀本部内の事はお任せください」
「クークラも、寂しい思いをさせるかもしれないけど」
「大丈夫だよ。うん。例え寂しくても、ボクは大丈夫」
 キキさんは、クークラのはっきりとした答えに、ハクとの強い絆を感じた。
 信頼がなければ、クークラはもっと駄々をこねただろう。

「ねぇ、ハク」
「なに?」
「もしもハクが死んだら、ボクの周りに残って、見守ってくれる?」
「……それは……」
「……うーん、ハクは意思が弱そうだから、無理かなぁ……」
 思わず、キキさんは吹き出した。
「あっ……酷い……」
 ハクは心底キズついたような表情をした。

この記事へのコメント

  • yuki

    第四話第一章のアップお疲れ様です。
    ってもう第二章アップされる直前ですけど。;

    キキさんがスヴェシと顔を合わせてもう二十回近く、と言う事は、また10年程時が流れたんですね。
    そしてハクがようやくスヴェっさん面に気付き出す、と。
    それなりにスヴェシの表情が読める様になってきたのも。
    自信と友人を得て、精神的に余裕が出来てきたのも理由の一つだったりするのかな?
    以前のままだと、スヴェシの表情を見る余裕、無さそうですし。

    そしてクークラ。アニメ―トの腕前が物凄く上がっている・・・!;
    術に対する理解や知識はまだキキさんの方が上の様に見えるけど、それも時間の問題かな?

    異質な魂はやっぱりミティシェーリでしたか。
    ハクの考え・・・2人の絆と言えば氷結晶だけど・・・
    続きも楽しみですね。
    2016年05月03日 19:40
  • ロキ


    >>yukiさん

     ハクは、スヴェシとの付き合いも余裕を持って行うことが出来るようになりました。
     そして、さすがのスヴェッさんも、氷結晶を目の前にすると愉悦がこらえきれない。
     本当は自分のものにしたい、無理ならレンタルでもいい……という最大級の欲求もあるのですが、それは鉄の精神力で、我慢……ガマン。

     ミティシェーリの魂に関しては、実のところ話全体で消化不良だと思っています。
     本当は、アレってミティシェーリの魂じゃない? → 変なフラグを立てて、あれ? これミティシェーリじゃなくてもっと何か邪悪なものの魂? → やっぱりミティシェーリの魂でした! みたいな流れにしたいと考えていたのですが、自分の構想力では無理でした。

     おかげで、章のはじめに、クークラが唐突に「あれはミティシェーリ?」と、話し始めたりする。
     ハクがミティシェーリの魂の存在を知り、それに対して……というのは、書きたかったテーマの一つでもあるので、もうちょっと掘り下げてみたかったと思っています。

     まぁ、それが出来なかった分。

     当初の予定ではそこまで重要視していなかった、クークラの成長物語要素を描けたかなとも思っていますが。

     なんにせよ、次の話が「ハクの成長物語」としてのエンディング。

     その後は話しそのもののエンディングに入っていきます。

     楽しみにしていただければと思います。
    2016年05月03日 22:25