自作小説『キキさんのアルバイト』 加筆部分 閑話休題キャラ紹介 ルサとワシリー

ちょっと再編集している「キキさんのアルバイト

幾つか修正部分があって、例えば現在は「マスター」と呼称しているキキさん達の主を「リーダー」と呼び変え。
また、キキさんたち「大気に満ちる魂が物品と結びついて身体を得た存在」を「人ならざる者」という言葉で表現しています。

前者はBARブレイブハートの「マスター」と被るため。
後者は、人間ではないけどキキさんたちと成り立ちが違う「ワシリー」の存在が出来てしまったためですが、結局「ワシリー」も「人ならざる者」と一絡げにされてしまっています。

キャラとして紹介はするものの、「ワシリー」「ルギエ」に関しては、本編に顔を出してくる予定はまったく無く、ただルギエは、館から出た後の放浪を時代劇的な短編連作的として書いてみたいという希望があります。

とりあえず、MMD杯動画作成の合間にコツコツ書いていたキキさんのアルバイト加筆部分、その1「ルサとワシリー」を紹介します。



「リーダー」が仲間とした「人ならざる者たち」は、キキさんを含めて五人。
 最初の一人はサブリーダー格。豪放磊落な水精のルサ。
 二人目は謎の存在。人形と童女と髑髏のランタンのワシリー。
 三人目がパーティの参謀にしてマネージャー。夜魔のキキ。
 四人目はサバサバした性格ながら乙女嗜好のアタッカー。八剣のルギエ。
 五人目に幻術使いのトラブルメーカー。紅い月のモコ。

 生まれた時には力弱き者たちだった五人だが、リーダーとの冒険の過程で成長し、やがて人に害なすドラゴンを倒し、古より生き続けた邪悪なダークリッチを封印するに至る。

 仲間として、家族として。
 リーダーを中心に、最果ての森の館で暮らしていた彼女たち。
 リーダーが異世界へ旅立ったのをきっかけに、キキさんを除いて皆、館を出て独立していくのだが。
 そんなキキさんの先輩、後輩たちを紹介する。


1.最初の仲間 水精ルサ 

○見た目と性格
 沼の水を思わせる褐色の肌に、月光のような薄いブロンドの長い髪と、金に光る瞳を持つ女性。
 中肉中背でやや筋肉質。バランスの良いプロポーションで見た目は女性らしいのだが、果断で豪放磊落とした性格のためボーイッシュなイメージがある。
 そのためか、男性よりも女性からモテる。
 来るものを拒まない面倒見の良さがあり、その性格から女性からの告白にも応じることがあったが、本来の好みが「朗らかな性格のナイスミドル」であるため同性との恋愛関係が長続きしたことはなく、それに関しては安易に受け入れるべきではなかったと反省もしている。
 果断で決断力に優れ、リーダーや後輩たちからの信頼も厚い。やや強引にでもパーティ全体を引っ張っていく力強さがあり、リーダー不在の状況では後輩たちを統率する役を担った。
 正義感は強く、不義と思ったことには義憤を燃やす。
 また、全てにおいて自由を愛する。それは自分だけではなく他人に対してもそうで、例えば仲間の誰かが何か行動を起こす時、よくない結果を引き起こすだろう思ってそれを指摘することはあっても、それが各々の決断であれば止めさせることはせず、その行動が結果的に失敗に終わってもフォローする。そんな器の大きさがあった。
 ただし、反面として雑でズボラな面があり、少し我儘。また、長い目で物事を見るのが苦手で、場当たり的な対応をすることも。そのため仲間たちからはサブリーダーとしての信頼を得ているが、その上でため息をつかれることも多かった。
 戦略を立てるのは苦手だが、仲間たちの能力と性格を見極め、実戦では先頭に立って指揮し、背中で後輩たちを引っ張っていく。
 天才的な前線指揮官。そんなタイプである。


○生い立ちと仲間になった経緯
 ルサはもともと、とある森の中の大きな沼に棲んでいた。
 そこは死産した赤子や、社会から祝福されなかった子供が秘密裏に捨てられるようになり、絶望した花嫁が身を投げたこともあった沼で、嘆きの魂は沼の周りに満ち、それはやがて水面に映る月と習合し、ルサは生まれた。
 まだ名前のなかった頃の彼女は、その美しい容姿を以て沼に近づくものを魅了し、水の中に引き入れてはそれを喰った。
 人に仇なす存在として、森の周囲の村に住む人々はこれを畏れた。
 ある日、その村に逗留した若い冒険者に、村人たちは水妖の退治を依頼する。
 請けた冒険者がただ独りで沼に近づくと、彼女はそれを魅了し心身を操ろうとした。
 しかし冒険者の精神力は強く、魔力を弾き、逆に彼女にルサという名前を与え、支配してしまった。
 冒険者は自分をリーダーと呼ぶようルサに命じ、今日からルサは冒険を共にする仲間であると宣言した。

 ルサにとっては不本意な出会いだったが、リーダーとの冒険を重ねるうちに信頼が芽生え、また後輩たちが増えて絆を深めた。
 自由を愛する本能とせめぎ合いながらも、仲間たちとの暮らしによって、家族を得、そこを自分が生きる場所だと感じるようになっていった。

 
○能力とパーティでの役割
 フルパーティで動く時には、戦闘面でもそれ以外の時も全体の司令塔の役割を果たす。キキさんがパーティを後ろから押すようなタイプだったのに比べ、ルサは前線で仲間たちを指揮し、叱咤し、背中で引っ張っていくタイプの指揮官だった。
 努力家であり、パーティ全体の面倒を見ながらも自らの鍛錬を欠かさず、得意だった水の術に関しても研鑽を怠らない。体術も魔術も卒無くこなす万能型ではあるが、より得意としているのは魔術である。
 戦闘においては、体術や武器術はアタッカーであるルギエに遠く及ばず、棒術使いのキキさんにも一歩譲るが、水を操る術はその万能性において他の追随を許さない。
 圧縮した水流による物理攻撃。渦巻きの津波を起こす全体攻撃。霧や霞、あるいは粘液を利用した戦闘支援など、幅広い役割を果たす。
 もっとも極まっているのは、時の流れを水の流れに見立てて操り、その場の時の流れを遅くするクイックタイムであり、この術を使った時の彼女はパーティでも最強とみなされていた。
 単騎では、多勢に対する足止めや、威力偵察を含めたスカウトを得意とした。
 特に独りで自由に動ける偵察任務は彼女の好むところだった。
 ルサが単独行動を取る時には、そのバックアップとしてパーティ全体の指揮はキキさんが取った。
 キキさんが居たからこそ、ルサも大胆な行動に出ることが出来た面がある。
 対称的な性格であり、時には喧嘩し、対立もした二人だが、互いに信頼しあってパーティを動かしていたのである。


○一言紹介と、リーダーが異世界へと旅立った後
 キキさんの先輩であり、書き手ですら「さん付け」にしてしまうキキさんを呼び捨てに出来る数少ない存在。
 その実力と姉御肌的な面倒見の良さで信頼を得、有力な後輩たちを背中で引っ張っていった。
 キキさんもなんだかんだと文句を言うこともあったが、パーティの中で最も信頼していたのはルサである。
 リーダーが異世界へと旅立った後。
 自分の居場所が失われる寂しさを感じながらも、開放され、まっさらなシーンに立つことへの喜びも強く感じていた。
 その意味でも、キキさんとは正反対の性格の持ち主だった。
 リーダー不在の館を維持管理すると宣言したキキさんに、その生き方に対して苦言を呈しながらも認めたのが彼女である。
 自由な生き方を欲した彼女だが、それでも結局、他のメンバーの旅立ちとキキさんの決意を見届けることを優先し、館から旅立ったのは四人のうちでも最後になった。

 館を出た後、氷の種族と人間たちの戦争が終結した直後の世界を旅しながら、ルサはとある森へとたどり着く。
 その森にいたのは、人間たちの開発の手に晒されながら、抵抗を諦めてしまった人ならざる「森に棲む者たち」。
 ルサと彼らとの出会いが、一つの歴史を生むのだが……。

 それはまた、別の話。



2.二番目の仲間 人形と童女と骨のランタンのワシリー

○見た目と性格
 見た目は十歳前後の童女。透き通るような肌に、ブロンドの髪を大きな三つ編みにして垂らしている。服装は頭巾とエプロンドレスを着用することが多い。
 胸ポケットには常に木の人形を入れており、常にその人形と語り合い意思決定をする。
 更に、髑髏のランタンが三つ、常にその周囲を浮遊している。
 少女の身体自体は、リーダーと出会った時に生まれたということもあり、年齢はパーティでも最年少。ただし、木の人形はかなり古くから存在していた。
 基本的に無口で、喋る時には少女ではなく木の人形が喋る。少女が本体なのか木の人形が本体なのかは分からないが、一応、別人格であるらしい。
 まだ子供でもあるためパーティ運営にはあまり積極的に参加しない。館の中では、自室に引きこもっている事も多い。
 ただし、木の人形は物事の解決策を提示したり、時には予言めいた発言をし、それはリーダーも頼りにしていた。
 パーティメンバーには心を開いているが、コミュニケーション能力は非常に低く、パーティ外の人間とはそもそも付き合う気が無いため、自分から他者と関係を構築する事は無い。むしろ、ちょっとでも嫌なことをされでもしたら、周囲を飛び回っている髑髏のランタンが、警告なしに手酷い反撃を行う。
 見た目によらず大食漢で、美味しいものが好き。そもそもそれが理由でリーダーについてきた。
 仲間になった直後に面倒を見てくれていたルサや、料理が美味い上に人当たりの良いルギエと仲がよく、外で行動する場合は常にこの二人のどちらかにくっついている。
 ルサを大姉様、キキさんを中姉様。ルギエを小姉様と呼び、最後に仲間となったモコに対しては呼び方のストックが無くなったためモコ姉様と呼ぶ。


○生い立ちと仲間になった経緯
 まだルサしか仲間の居なかったリーダーが、地下世界にある「骨の館」あるいは「バーバ・ヤーガの館」と呼ばれるダンジョンの奥で見つけた木の人形。それに食べ物を与えることによって生まれた存在。
 魂を持って生まれてくる「生物」とはもちろん、「大気に満ちる魂」と習合したキキさんやルサのような「人ならざる者」とも生命の在り方そのものが違っており、存在自体が謎に満ちている。
 本人はバーバ・ヤーガの命で骨の館で働いていたと言っているが、そのバーバ・ヤーガ自体が遥か昔に出かけたまま戻ってきていないらしく、「しばらくの間」館を留守にしても問題はないとのこと。
 地上には美味しい食べ物がいっぱいあると言われ、リーダーとルサにほいほい付いてきた。
 周りを飛び回っている髑髏のランタンは、骨の館の門に取り付けられていたもので、出てくる時に自動的にワシリーに付属した。


○能力とパーティでの役割
 身体能力は決して高くなく、コミュニケーション能力も壊滅的。また自ら攻撃することは出来ず、連携を取るのも下手。
 しかし、髑髏のランタンを火種として炎を操る能力を持ち、ランタンに炎を吹き出させてのカウンターを駆使し、敵の攻撃の撃ち落としをすることが出来る。基本的には後方に位置し、炎の壁を作って敵の攻撃を阻んだり、ほぼ自動の迎撃システムとしてパーティ全体を守護するガーディアンとしての役を担った。
 また、仲間が命を落としかねない局面では、炎を不死鳥に見立てた復活の秘術「リヴァイヴァ」を、奥の手として扱うことが出来た。 


○一言紹介とリーダーが異世界へ旅立った後
 謎めいた少女で、感情を表に出すこともなく、何を考えているのかは長く付き合ってきたルサでもよく分からない。
 基本的には自分勝手で社会性は無く、やりたくないことはやらないが、パーティへの愛着はあり、パーティ全体のためであればメンバーの「お願い」はしぶしぶながら引き受ける事もあった。
 年上への敬意はあるようで、他のメンバーの事を姉様と呼び、慕っている。
 ただし、パーティ以外の存在に対しては全く無関心。木の人形が喋るのもパーティの前でのみ。
 嫌なことでもされようものなら、無感情のまま相手を消し去ろうとすらする。そのフォローに入るのは、大体の場合は社交的な性格の小姉様、ルギエであった。
 リーダーが異世界に去った後は、骨の館に戻りひっそりと暮らしている。ただ、地上の食べ物には未練があるようで、時折ルギエに手紙を出し、食べ物を持ってきてほしいと頼んでいる。

 以上。
 まだちゃんと推敲していませんが、こういうのを書いていたという紹介として。
 近いうちに、ルギエ、モコ編もアップします。
 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


ところで。
リーダーと出会う前のルサ。
こんな感じで沼に近づくものを魅了し、沼に引き入れていたのではないか……などと思わせる動画を見つけました。



まあ、そりゃ、ホイホイ沼にも近づくよね! 仕方ないよね!

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