キキさんのアルバイト その後の話その3 お見合い編04 「お見合い(山河の義勇軍)」構成

キキさんのアルバイト、お見合い編。

一応、釣書でお互いの経歴は知っているルサとゲーエルー。
このあたりは、いつか書きたいと思っている「ルギエの花嫁武者修業」の伏線の意味もあったりします。


04.お見合い(山河の義勇軍時代)


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ゲーエルーが、ルサについて聞いていたことを話す。
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砦跡に努めていた頃、キキさんが昔パーティを組んで冒険者をしていたとは聞いていた。そして、頼りになる先輩や後輩の話も。
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キキがそんなことまで話すあたり、信頼されていたんですね。
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キキは、あれで人見知りが激しいと言うか、仲間と認めた相手以外にはあまり心を開かないタイプなのに。
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そうか? 最初から割と友好的だった……まあ、それはハクやクークラを気に入ってもらっていたからかもしれない。
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(ドアの外でキキさんが照れくさそうにする。モコが薄く笑う)
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それに、とゲーエルーが言う。それとは別に、山河の義勇軍には興味があった。人間たち、時に国教会の勢力ともやりあい、押し勝ったような話を聞いて胸のすく思いをしたこともしばしばだった。
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そうそう。そう言えば、一度山河の義勇軍の作戦に参加したことがある。
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え? どんな状況で……?
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……負け戦だったな。カザンカ川支流の戦いだ。ちょうど金が無く時間が余っていた時だ。現地招集があったので参加し、指揮官の護衛を務めた。
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ああ。あれは自分としても苦い思い出です。指揮官……護衛対象はマーフカでしたか?
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そうそう。そういう名前だった。負け戦ではあったが、あれはいい指揮官だったな。敗走で士気がガタ落ちした……それも大部分は故郷を失った寄せ集めの義勇軍を、しっかり纏めて最小限の被害で安全圏まで落ち延びさせた。
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マーフカは、攻撃に秀でたタイプではありませんが、防衛戦や撤退戦をやらせたら右に出るものがいない、優秀な仲間でした。今は義勇軍の主柱の一人です。新しい時代でも重要な役を担うでしょう。
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ほう。ならばオレも後の歴史に繋がるいい仕事をしたのかもしれん。あの時、襲ってきた中にやたらめったな手練が一人いてな。最初は鞭と短剣を使っていたが、オレと対峙したときには八節の蛇腹刀を手にしていた。
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(ドアの外で、二人が、……それってまさか……と顔を見合わせる)
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自慢になるが、あれはオレが居なければマーフカ嬢の首が落ちていてもおかしくはなかったはずだ……ん? どうした変な顔をして?
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いえ……ちょっと思い当たるところが……。
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義勇軍のリーダーの噂を聞いたのもその時が初めてだったかな。その義勇軍リーダーと、まさかこうして「お見合い」をすることになるとはそのときには思わなかったが。
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ルサは少し真面目な顔になる。最初は成り行きで身を投じた戦いでしたが、あれは自分にとっても重要な100年になりました。

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