キキさんのアルバイト その後の話その3 お見合い編09 「破滅への道」構成

ゲーエルーさんの過去話の続き。

戦争も末期。
ミティシェーリの死について語られます。


09.破滅への道


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アニメートで操られた死体の軍勢に、人間たちは一時的にひるんだ。だが、それも克服され、やつらは血の涙を流しながら生ける屍の軍を撃破するようになった。
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その後は、もう手がつけられなかった。その後の人間たちの軍の攻撃は容赦が無くなり、王都からの増援の他、各地から義勇軍が参加してその数が膨れ上がった。
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こういう話は、いつかクークラにもしなければいかんな。
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あれは考え方が合理的で、その点は悪いとは全く思わないし、そもそもオレは魔術に関しては全くわかっていないのでアニメートの使用そのものに口を出すつもりもない。
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しかし、あれを死体にかける事が「邪法」と言われたのは、経験上、よく分かる。
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世の中には合理的に見えて、決してやってはいけないということもある。
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それはあの戦争を生き延びたものとして、やっぱりクークラには伝えておかなければな。
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すまない。話がそれた。
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ともかく人間たちの軍はその数を大きく膨らませた。そこには様々な思惑もあっただろうし、統率も取れなくなりそうなものだったが、しかしそこに勇者という存在があった。やつを旗頭に、勇者後援会がその組織力を発揮して強力な統率力を発揮した。
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巨大な軍勢が、一丸となって俺たちに襲いかかってきた。
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戦線を支えきれなくなった自分たちは、敗走を重ねた挙げ句、下の大地の東南にある迷いの森に逃げ込み、そこにあった古い砦を占拠した。
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後に魔王砦と呼ばれるようになる、俺達の最後の地だ。
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その頃には、俺たちはもう随分と数が少なくなっていた。しかし、砦はかなり堅固で、人間の大軍を相手に、俺達はそれなりに持ちこたえた。
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だが、所詮は救援のない籠城戦。言い換えればただの悪あがき。
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そのカリスマ性をもって内部をまとめていた姐御が、単身で乗り込んできた勇者に討たれた後は、もう大黒柱の折れた家と同じで、あっという間に崩れ去った。

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